同人かけこみ堂

コピー本のラスボスは「面付け」だった【PDFを入れるだけで中綴じ本完成】

2026.09.06

コピー本は家で作れる!

入稿に間に合わなかった。でもイベントには出る。スペースに何も置かないのは、さすがに寂しい。

そこで浮上するのがコピー本という選択肢だ。自分で刷って、自分で折って、自分でホチキスを留める。締め切りは「イベント当日の朝」まで伸びる。

コピー本といえばコンビニのマルチコピー機が定番だけど、家にプリンタがあるなら、たぶん家のほうがいい。理由は3つある。

1. 安い。 コンビニのコピー代は1面10円。両面印刷すると紙1枚で20円です。32ページのA5コピー本ならA4用紙8枚=16面なので、1部160円。20部作れば3,200円です。家庭用プリンタの白黒なら、普通紙とインクを合わせても1面数円に収まります。

2. 並ばなくていい。 時間帯と場所によっては、コンビニのコピー機には行列ができる。そして自分のうしろに並ぶのは、たいてい同志ではない。明らかに急いでいるビジネスマンだ。

家なら誰も並んでいない。パジャマのままでいいし、深夜3時でもいい。

3. 原稿を置き忘れない。 これが地味に一番でかい。コピー機の排紙トレイに数枚忘れてしまえば、次にコピー機を使う見知らぬ誰かが、あなたのちょっとえっちな1ページを手に取ることになる。想像したので今日はもう眠れません。

家で刷れば、原稿を見る他人がそもそもいない。

でも、ラスボスがいる

ここまではいい話だ。問題はこの先にいる。

面付け(めんつけ)。

A5サイズのコピー本を作るとする。A4の紙を二つ折りにして、束ねて、真ん中をホチキスで留める。これが中綴じ。作り方としてはシンプルだ。

シンプルなのは作り方だけで、ページの並べ方はシンプルじゃない。

8ページの本を作るとする。紙は2枚。1枚目の紙の表には、左に8ページ目、右に1ページ目が並ぶ。裏返すと、左に2ページ目、右に7ページ目。2枚目の紙は、表が左6ページ・右3ページ、裏が左4ページ・右5ページ。

私は書きながら3回数え直しました。

文字書きは、ここで特に詰む

絵を描く人は、まだ有利だと思う。ページ単位で原稿を管理する文化があるし、お絵描きソフトに同人誌用の書き出し機能があったりする。同じジャンルの絵描きに聞けば、だいたい誰かが通った道だ。

一方、文字書きの原稿はどうなっているか。

執筆ソフトは初期状態だと冊子用のPDFを出してくれない。

機能がまったく無いわけではない。Wordには「印刷の形式」に「本(縦方向に谷折り)」という項目があるし、一太郎にも冊子印刷の設定がある。問題は、たどり着いた先で待っているものだ。

  • 綴じ方向は「右綴じ」という名前で出てこない。縦書き文書なら谷折りで右綴じになって、逆にしたければ「山折り」を選ぶ、という仕組みになっている
  • 「1冊あたりの枚数」を製本方法に合わせて指定する必要がある
  • 両面印刷を「短辺とじ」にするか「長辺とじ」にするかは、プリンタ側の設定でまた別に選ぶ

……めんどくさい!

というわけでツールにしました

面付けメーカー は、書き出したPDFを入れるだけで、中綴じ用に並べ替えたA4両面印刷用のPDFを出すツールです。

やることは、これだけ。

  1. 原稿のPDFを選ぶ
  2. 綴じ方向を確認する(縦書きの小説なら右綴じ。デフォルトで右綴じになっています)
  3. ダウンロードする
  4. A4に両面印刷して、二つ折りにして、真ん中をホチキスで留める

ページの並べ替えは全部こちらでやります。4〜40ページのPDFに対応。

4の倍数に足りないぶんの白紙も自動で足します。 ただ、これは「足りないページを白紙で埋める」だけなので、本の最後に何も書かれていない真っ白なページが残ります。

気になる人は、面付けにかける前にあとがきや奥付を足してみてください。1ページぶんの後語りが入るだけで、白紙が「余り」から「本の一部」に変わります。書くことが思いつかなければ「読んでくれてありがとうございます」の1行でも充分です。

そして大事なところ。PDFはどこにも送信されません。 ブラウザの中だけで処理して、そのまま手元にダウンロードされます。サーバーに原稿が上がることはないので、全年齢じゃない原稿でも安心して入れてください。コンビニに置き忘れるより、たぶん安全です。

登録もログインも不要です。

自宅で刷るコツ

面付けが終わっても、まだ印刷設定が待っています。先に知っておくと楽なものを3つ。

  • 両面印刷の綴じ方向を確認。 プリンタの設定に「短辺とじ/長辺とじ」という項目があります。どちらが正解かはプリンタや設定画面によって違うので、ここは1枚テスト印刷して、裏面の天地がひっくり返っていたらもう片方に切り替えてください。設定名を覚える必要はなく、正解を1回引き当てればそのあとは同じ設定でいけます。
  • いきなり全部刷らない。 まず1部だけ刷って、折って、ページが読む順番どおりに並んでいるか確かめる。綴じ方向を左右逆にしていた、誤字脱字があった、といったミスはここでしか見つかりません。
  • ホチキスは中綴じできるタイプが楽。 普通のホチキスでも、開いて裏から打って、爪を手で曲げればいけます。下に消しゴムを敷くと刺さりやすい。

コンビニと自宅、どっちで刷る?

コンビニ 自宅プリンタ
費用 白黒10円/面(両面なら1枚20円) 紙+インクで1面数円
待ち時間 前日は行列 ゼロ
置き忘れリスク ある ない
A3など大きい紙 使える 家庭用は基本A4まで

プリンタが家にあるなら自宅が有利です。しかも部数が増えるほど差が開きます。 コンビニは何部刷っても1面10円のままだけど、自宅は紙とインクの実費なので、刷れば刷るほど1部あたりが安くなる。

コンビニを選ぶのは、家にプリンタが無いとき、インクや紙を切らしているとき、そしてA3など家庭用プリンタで扱えない紙を使いたいときです。

ひとつだけ先に言っておくと、本文の印刷は黒インクの消費量がえげつない。 自宅でコピー本を作るかもしれない人は、黒インクの替えを1本ストックしておいてください。

つまり

自宅にプリンタがあるなら、コピー本は家で作ったほうが安いし、並ばないし、原稿を置き忘れることもない。唯一立ちはだかるのが面付けというラスボスで、そこはPDFを入れるだけで終わります。

あとは原稿を書くほうに時間を使ってください。

表紙がまだなら色々表紙メーカーで作れます。8ページくらいの小さい本なら折り本メーカーのほうが早いです(紙1枚で完成します)。

作り方をもう少し詳しく見たい人は、面付けメーカーの作り方ガイドへどうぞ。

よかったら使ってみてください。

締め切りはイベント当日の朝まで伸びます。だから今日はもう寝てください。

自宅でコピー本を作るなら

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  • プリンタ本体

    家に無い人向け。コピー本を何度か作るなら、印刷代で元が取れます

  • 黒インク

    本文の印刷は黒の消費量がえげつないので、替えを1本。プリンタの型番に合うものを確認してから買ってください

  • 中綴じホチキス

    毎回作るなら1本あると早いです

面付けメーカー

PDFを入れるだけ。中綴じ用に並べ替えたA4両面印刷PDFが出ます。

使ってみる →

この記事のツール面付けメーカー

使ってみる →