推しCPは布教したもん勝ち。文字書きが本を見つけてもらう方法【紹介シート】
2026.06.09
文字書きは、一目で見つけてもらえない
同人イベントの会場を歩いていると、ふと目が止まる瞬間がある。机に並んだ表紙のイラスト、ポスター、サークルカット。「あっ、なんか良い」と思って近づいて、そのまま一冊買う。あの偶然の出会い。
でも、文字書きにはあれがない。
小説の表紙はだいたい、タイトルとサークル名が品よく置かれているだけだ。遠目で「うわっ性癖!!」とはならない。中身がいくら最高でも、通りすがりの3秒では伝わらない。絵は一目で殴ってくるけど、文字は読んでもらって初めて効く。これはもう、メディアの宿命みたいなものだ。
サークルチェック、抜け殻には重い
じゃあ事前にチェックしておけばいいじゃん、と思うだろう。思う。私も思う。
でも、原稿を限界まで走り抜けた直後の私は、だいたい抜け殻だ。HPは0、MPはマイナス。入稿を終えてようやく息をした人間に、何百ものスペースを一つずつ見て回る気力は残っていない。
ありがたいことに、有志の方が新刊まとめやお品書きまとめを作ってくれていたりする。あれは本当に神の所業だと思う。でも、量が量だ。全部は追いきれない。気づけばイベント当日になっている。
そして、買い逃す
結果、何が起きるか。買い逃しである。
「このCPなら無条件で全部買う」とか「○○さんの本なら間違いない」とか、自分の中に確固たる指名買いリストがある本は、当日でもちゃんと拾える。問題はそれ以外だ。
後日、SNSを眺めていて突然それは襲ってくる。
「えっ、あのサークルさん、ヴァンパイアパロ出してたの!?」
聞いてない。いや、誰も悪くない。ちゃんと告知はされていた。私が抜け殻で見落としていただけだ。でも知ってたら絶対に買ってた。会場にはいたのに。その嘆きを、私は何度繰り返したかわからない。
オリジナルは、もっと砂漠かもしれない
私は二次創作の人間なので、まだマシな方だと思う。少なくともCP名という共通の検索ワードがあって、それを頼りに同志を探せる。
でもオリジナル・一次創作だと、そもそも「この性癖の同志はどこ……?」というところから始まる。みんなが集まるタグがあるとは限らない。布教したくても、まず仲間を見つけて、自分の作品の良さを伝えるところまでが一段とハードモードに見える。あれを通年でやっている人たちは、本当にすごい。
一目で「これはこういうCPです」と伝わる何かがあれば、絵がなくても、共通タグがなくても、もう少し見つけてもらえるんじゃないか。
というわけでツールにした
同人かけこみ堂の推しCP紹介シートメーカー、文字の良さを一目で伝えたい人のために作った。
キャラを2人、左右に並べる。それぞれに「推しの色」を選ぶと、左右でゾーンが塗り分かる。それだけで、もう「このCPだ」という顔になる。
真ん中には感情の矢印を引ける。A→B、B→A、それぞれ別の言葉で。「執着」と「無自覚」みたいに方向と温度を書けるので、共依存なのか両片想いなのかが、読まなくても伝わる。関係性タグ(幼馴染・腐れ縁・共依存……)も貼れる。
そして、布教コメント欄。ここに「ここが好き!」を全力で書いていい。現代パロの職業設定でも、関係性のこじれ具合でも、文字でしか語れなかった部分を一枚に乗せられる。性別は限定していないので、BLでもNLでもGLでも、なんでもどうぞ。
最低限、キャラの名前を2つ入れればシートになる。凝りたければいくらでも凝れるし、3分で出すこともできる。
使い方はあなた次第
出力はX用の横長PNG(タイムラインにちょうど収まるサイズ)と、A4横のPDF。
SNSに上げて自分の推しCPを布教するもよし。印刷してイベント当日にスペースに掲示し、「今日はこういう本を出しています」の新刊紹介シートにするもよし。お品書きが「何が並んでいるか」のメニューだとしたら、こっちは「このCPがどう良いか」を一枚で語る用だ。
文字書きの本が、誰かの「あっ、なんか良い」になりますように。
……と、買い逃しがどうのと偉そうに書いておきながら、この前のイベントでも事前のサークルチェックを怠り、お目当ての新刊を見事に取り逃したのは、この私です。
よかったら使ってみてください。
