小説の「……」「――」、合ってる?同人原稿の表記ルールまとめ
2026.06.13
初めて小説の同人誌を作るとき、誰もが一度はぶつかる壁があります。
「……これ、書き方合ってるのかな?」
三点リーダーって2つ重ねるの? ダッシュって何? 行頭って下げるんだっけ?
大丈夫。知らなかった人、安心してください。私も知らなかった。みんな最初は知らないんです。
ここでは、小説の同人原稿でよく言われる「表記のルール」をまとめました。とはいえ、これは法律でも校則でもなく、あくまで出版や同人の世界でなんとなく定着している慣習です。「ふーん、そういう文化があるんだ」くらいの気持ちで読んでください。
三点リーダー「……」は2つ重ねる
いちばん有名なやつです。
- ダメな例:
そして…彼は振り返った - 直した例:
そして……彼は振り返った
点が3つの「…」(三点リーダー)は、2つ重ねて「……」で1セットとして使うのが一般的です。1つだけだとちょっと素人っぽく見えてしまう、というのが昔からの慣習。
ついでに、・・・(中黒を並べる)や ...(半角ピリオド)、。。。(句点を並べる)で代用しているのもよく見かけますが、これらも「……」に直すのがおすすめです。スマホだと「てんてんてん」で変換すると「…」が出せますよ。
ダッシュ「――」も2つ重ねる
これも三点リーダーと同じ仲間。
- ダメな例:
次の瞬間― - 直した例:
次の瞬間――
長い横棒「―」(ダッシュ)も、**2つ重ねて「――」**で使うのが基本です。余韻や場面転換、セリフの途切れなどに使います。
ややこしいのが、見た目が似た棒がいっぱいあること。長音符「ー」(伸ばし棒)、罫線「─」、ハイフン「-」、欧文ダッシュ「—」……。これらは別の文字なので、本当はダッシュ「―」に統一したいところ。原稿整えツールでは「—」「─」「--」をダッシュ「―」に寄せます。伸ばし棒「ー」だけは意味が違うので触りません。
感嘆符・疑問符は全角+後ろは1マスあける
- ダメな例:
本当!?そんな - 直した例:
本当!? そんな
「!」「?」は全角を使うのが日本語の小説では一般的です。半角の「!」「?」は英文用、というイメージ。
そしてもうひとつ。「!」や「?」のあとに文章が続くときは、全角スペースを1つ空けるのが慣習です。まさか! 彼が来るなんて のように。ただし、後ろが「」などの閉じ括弧や行末のときは空けません。
句読点は重ねない
- ダメな例:
そう。。 - 直した例:
そう。
打ち間違いで「。。」「、、」と重なってしまうこと、ありますよね。句読点は1つでOKです。
なお、半角の「.」「,」を句点・読点の代わりに使っている場合も全角の「。」「、」に直したいところですが、英単語の中のピリオドを巻き込む恐れがあるので、ツールではこれも慎重に(デフォルトはオフ)扱っています。
括弧は全角
- ダメな例:
(笑) - 直した例:
(笑)
半角の ( ) は全角の ( ) に。日本語の本文に半角括弧が混じると、地味に見た目がガタつきます。
会話を囲む引用符 "..." '...' を使っている場合も、日本語の小説では鉤括弧「」に寄せるのが一般的です(こちらは英文を巻き込む恐れがあるのでツールではデフォルトオフ)。
鉤括弧の閉じ忘れに注意
- ダメな例:
「おはよう、と彼は言った - 直した例:
「おはよう」と彼は言った
これは体裁というより単純なミス。書いている途中で閉じ「」を忘れてしまうこと、けっこうあります。あとから読み返すと気づきにくいので、機械にチェックしてもらうと安心です。
括弧の直前の句点(流派あり)
- 例:
「行こう。」→「行こう」
会話文の終わりの「。」を入れるか入れないか。これは完全に流派が分かれるところです。
商業の文芸では「。」を入れない流儀が多いですが、入れる作品もたくさんあります。ケースバイケース、あなたの文体次第でOK。だからツールでもこれは「直しますか?」と聞くだけで、勝手には直しません(デフォルトはオフ)。
段落の最初は一字下げ
- ダメな例:
走った。息が切れていた。(行頭が下がっていない) - 直した例:
走った。息が切れていた。(行頭に全角スペース)
地の文の段落のはじめは、全角スペースを1つ入れて一字下げするのが原則です。原稿用紙の名残ですね。
ただし、会話文(「で始まる行)や、記号で始まる行は下げません。詩のように意図的に下げたくない場合もあるので、ツールでは下げたあとでも個別にオフにできるようにしています。
連続する空行(演出に注意)
空行が3行も4行も続いていると、入稿時に間延びして見えることがあります。とはいえ、空行はシーンの区切りや「間(ま)」の演出として意図的に使うこともあるので、これは勝手に削らないのが安全。ツールでもデフォルトはオフにしています。
行末の余計なスペース
行のおしまいに、目に見えないスペースが残っていることがあります。コピペのときに紛れ込んだりするやつです。見た目には分からないけれど、組版で悪さをすることがあるので、サッと消しておくと安心。
半角カタカナは全角に
- ダメな例:
ガンダム - 直した例:
ガンダム
半角のカタカナ「カタカナ」は、本文では全角「カタカナ」に直します。これは誤検出の心配がほぼないので、安心して自動でお直しできます。
英数字・数字の表記(お好みで)
123(全角)と 123(半角)、三人 と 3人。どちらに統一するかは作品次第・縦書き横書き次第で、正解はありません。
特に漢数字とアラビア数字の変換は「一人」「十分」のような慣用語を巻き込みやすいので、機械での自動変換は危険。ツールでも控えめに扱っています。
表記ゆれ(作中の不統一)
- 例:同じ作品の中で
子供と子どもが混ざっている
「子供/子ども」「ありがとう/有難う」「わかる/分かる」……。どちらが正しいということではなく、作品の中で統一されていないと気になる、というのが表記ゆれです。
原稿整えツールは「正しい表記」を押し付けません。あくまで「作中でこの2つが混ざってるよ」と教えて、どちらに統一するかはあなたが選ぶ方式にしています。キャラ名の表記ゆれ(斎藤/斉藤など)も、同じ考え方で防げます。
二重表現(重ね言葉)
- ダメな例:
頭痛が痛い - 直した例:
頭が痛い
「頭痛が痛い」「一番最初」「違和感を感じる」……。意味が重なってしまっている言い回しです。ただし、わざと使う表現や、慣用的に許容されるものもあるので、これも指摘するだけにとどめています。
知らなかった人へ
ここまで読んで「えっ、全部知らなかった……」と青くなった人。大丈夫です。
これらは「知らないと恥ずかしい」というより、「知ってると原稿がちょっと締まって見える」くらいのもの。読み手の多くは、そこまで細かく見ていません。いちばん大事なのは、あなたが書いた話そのものです。
とはいえ、せっかく本にするなら体裁も整えたい。そんなときは、書き上げた原稿を原稿整えツールに貼ってみてください。ここで挙げたルールを、ワンタッチでチェック&お直しします。原稿は端末の中だけで処理されるので、誰にも見られません。
あなたの本が、いい形で読者に届きますように。
